2024年09月19日

Dirac の γ行列(2)


今回は具体的なパウリ表現を提示して、考察します。

パウリ表現:



ここで、



また、 \(\boldsymbol{\sigma }_{i}\) はパウリのスピン行列で2×2行列です。
具体的には、



であり、スピン行列の積は、





となります。
まず、冒頭にあげたパウリ表現の定義式から、



であることは明確です。
次に、





から、




さらに、






まとめると、



となり、パウリ表現が反交換関係



を満たすことが分かります。

今日はこの辺で。。

ラベル:場の量子論
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2024年09月18日

マックスウェル方程式を旋りて(2)


入門 現代の相対性理論 電磁気学の定式化からのアプローチ」を入手してパラパラ読んでいます。電磁気学というと、標題の「マックスウェル方程式」が重要なので、この本を参考にておさらいをします。

今回はマックスウェル方程式の第一式 \(\varepsilon _{0}\nabla\cdot \boldsymbol{E}= \rho \) を考えます。

この式の両辺をある閉領域 \(V\) で積分することを考えます。この領域を囲む閉曲面を \(S= \partial V\) とすると、 ガウスの定理 から、



なので、マックスウェル方程式の第一式の積分形は



となります。

[引用]------------------------------------
この式は、ある範囲 (\(S= \partial V\)) での法線方向の電場の積分は、その閉曲面で囲まれた領域 \(V\) の中に含まれる電荷の総量に等しいことを表現しています(ガウスの法則)。
-----------------------------------------

次に、静止している点電荷 \(Q\) を中心に持つ半径 \(r\) の球面を考えます。
対称性から、球面上の電場の法線成分 \(E_{r}\) はどこでも同じ値と考えられます。
ここでガウスの法則を適用すると、



よって、



電荷 \(q\) を持つ試験電荷をこの球面に置くと、電場の定義から



となり、これは2つの静電荷間に働く力についてのクーロンの法則になります。

今日はこの辺で。。

ラベル:電磁気
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2024年09月17日

Dirac の γ行列(1)


この話題は何回も取り上げていますが、再度考えます。

反交換関係



において、\(\mu=\nu\) とおくと
 


よって、



ここから、




さて、\(\mu\neq i\) となるように、\(i\) を選んで



であり、性質 \(\textrm{Tr}(ABC)= \textrm{Tr}(CBA)= \textrm{Tr}(BCA)\) から



つまり、\(\textrm{Tr}(\gamma ^{\mu })=-\textrm{Tr}(\gamma ^{\mu })\) なので、



となります。

まとめると、γ行列には







という性質があるということです。
この候補として、パウリ表現やワイル表現などがあります。

次回は良く使われるパウリ表現を考えてみます。

今日はこの辺で。。



ラベル:場の量子論
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