これはφ(x,0)のエンベロープをGauss分布で押さえたことになるので、波数はφ(x,0)と同じと思ってしまいます。
しかし、Gauss分布で閉じ込めて空間的に限定してしまったので、周期性が無くなってしまいました。
周期性のある関数はフーリエ級数に展開出来て、基本波と高調波(基本波の波数の整数倍の波)の合成で表せて、そのスペクトラム分布は飛び飛びになることが分かっています。
では周期性の無い場合はどうなるのでしょうか?これは連続スペクトルになります。
つまり、波数k0以外の波が組み合わさっていて、その波数は連続にベターっと分布していることになります。これはフーリエ積分で求めることになります。
フーリエ積分はフーリエ級数展開のΣを∫にしてベターっとさせたものと考えれば良いと思います。
具体的には振幅A(k)の平面波A(k)exp(ikx)の連続的な重ね合わせと見て、
ψ(x,0)=(2π)-1/2∫A(k)exp(ikx)dk (積分範囲は-∞~+∞)
と表わせます。A(k)の方は
A(k)=(2π)-1/2∫ψ(x,0)exp(-ikx)dx (積分範囲は-∞~+∞)
となります。これを計算すると、
A(k)=(2π)-1/2∫ψ(x,0)exp(-ikx)dx=(2π)-1/2(2π)-1/4σ-1/2∫exp{ik0x-x2/(4σ2)}exp(-ikx)dx
=(2π)-3/4σ-1/2∫exp{ik0x-x2/(4σ2)}exp(-ikx)dx=(2π)-3/4σ-1/2∫exp{-i(k-k0)x-x2/(4σ2)}dx
ですが、
x2/(4σ2)+i(k-k0)x={x/(2σ)}2+2iσ(k-k0){x/(2σ)}
=[{x/(2σ)}2+2iσ(k-k0){x/(2σ)}-{σ(k-k0)}2]+{σ(k-k0)}2=[{x/(2σ)}+i{σ(k-k0)}]2+{σ(k-k0)}2
なので
A(k)=(2π)-3/4σ-1/2exp[-{σ(k-k0)}2]∫exp[-[{x/(2σ)}+i{σ(k-k0)}]2]dx
となります。 ここで、 x'=x+i2σ(k-k0) とすると dx'=dx であり、
{x/(2σ)}+i{σ(k-k0)}={1/(2σ)}[x+i2σ(k-k0)]=x'/(2σ)
なので、
A(k)=(2π)-3/4σ-1/2exp[-{σ(k-k0)}2]∫exp[-{x'/(2σ)}2]dx'
ということになります。ここで、 ∫exp{-(αx)2}dx=π1/2/α から
∫exp[-{x'/(2σ)}2]dx'=2σπ1/2
なので、
A(k)=2-3/4π-3/4σ-1/2(2σπ1/2)exp[-{σ(k-k0)}2]=21/4π-1/4σ1/2exp{-σ2(k-k0)2}
という結果になりました。これより、
|A(k)|2=21/2π-1/2σexp{-2σ2(k-k0)2}=(2π)-1/2(2σ)exp{-(2σ)2(k-k0)2/2}
となり、これは k=k0 を中心とした、標準偏差 1/(2σ) のGauss分布ということです。
これから、 ⊿x=σ ⊿k=1/(2σ) なので、 ⊿x・⊿k=1/2 が成立します。 ここで、 p=h~k から
⊿x・⊿px=h~/2
となり不確定性関係が出てきました。
つまり、粒子(波束)を狭い領域に閉じ込めようとすると、波数(運動量)の広がりを大きくしなければならないことが分かります。
ラベル:物理