2007年03月18日

波束モデル_(2)

前回の説明では、φ(x,0)をGauss分布で閉じ込めてψ(x,0)を作りました。
これはφ(x,0)のエンベロープをGauss分布で押さえたことになるので、波数はφ(x,0)と同じと思ってしまいます。
しかし、Gauss分布で閉じ込めて空間的に限定してしまったので、周期性が無くなってしまいました。
周期性のある関数はフーリエ級数に展開出来て、基本波と高調波(基本波の波数の整数倍の波)の合成で表せて、そのスペクトラム分布は飛び飛びになることが分かっています。
では周期性の無い場合はどうなるのでしょうか?これは連続スペクトルになります。

つまり、波数k0以外の波が組み合わさっていて、その波数は連続にベターっと分布していることになります。これはフーリエ積分で求めることになります。
フーリエ積分はフーリエ級数展開のΣを∫にしてベターっとさせたものと考えれば良いと思います。
具体的には振幅A(k)の平面波A(k)exp(ikx)の連続的な重ね合わせと見て、

ψ(x,0)=(2π)-1/2∫A(k)exp(ikx)dk    (積分範囲は-∞~+∞)

と表わせます。A(k)の方は

A(k)=(2π)-1/2∫ψ(x,0)exp(-ikx)dx    (積分範囲は-∞~+∞)

となります。これを計算すると、

A(k)=(2π)-1/2∫ψ(x,0)exp(-ikx)dx=(2π)-1/2(2π)-1/4σ-1/2∫exp{ik0x-x2/(4σ2)}exp(-ikx)dx
=(2π)-3/4σ-1/2∫exp{ik0x-x2/(4σ2)}exp(-ikx)dx=(2π)-3/4σ-1/2∫exp{-i(k-k0)x-x2/(4σ2)}dx

ですが、

x2/(4σ2)+i(k-k0)x={x/(2σ)}2+2iσ(k-k0){x/(2σ)}
=[{x/(2σ)}2+2iσ(k-k0){x/(2σ)}-{σ(k-k0)}2]+{σ(k-k0)}2=[{x/(2σ)}+i{σ(k-k0)}]2+{σ(k-k0)}2

なので

A(k)=(2π)-3/4σ-1/2exp[-{σ(k-k0)}2]∫exp[-[{x/(2σ)}+i{σ(k-k0)}]2]dx

となります。 ここで、 x'=x+i2σ(k-k0) とすると dx'=dx であり、

{x/(2σ)}+i{σ(k-k0)}={1/(2σ)}[x+i2σ(k-k0)]=x'/(2σ)

なので、

A(k)=(2π)-3/4σ-1/2exp[-{σ(k-k0)}2]∫exp[-{x'/(2σ)}2]dx'

ということになります。ここで、 ∫exp{-(αx)2}dx=π1/2/α から

∫exp[-{x'/(2σ)}2]dx'=2σπ1/2

なので、

A(k)=2-3/4π-3/4σ-1/2(2σπ1/2)exp[-{σ(k-k0)}2]=21/4π-1/4σ1/2exp{-σ2(k-k0)2}

という結果になりました。これより、

|A(k)|2=21/2π-1/2σexp{-2σ2(k-k0)2}=(2π)-1/2(2σ)exp{-(2σ)2(k-k0)2/2}

となり、これは k=k0 を中心とした、標準偏差 1/(2σ) のGauss分布ということです。
これから、 ⊿x=σ ⊿k=1/(2σ) なので、  ⊿x・⊿k=1/2 が成立します。 ここで、 p=h~k から

⊿x・⊿px=h~/2

となり不確定性関係が出てきました。

つまり、粒子(波束)を狭い領域に閉じ込めようとすると、波数(運動量)の広がりを大きくしなければならないことが分かります。
ラベル:物理
posted by T_NAKA at 00:16| Comment(0) | TrackBack(2) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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ヒルベルト空間かぁ。。
Excerpt: EMANさんの掲示板でヒルベルト空間のことが話題になっていますね。 量子力学には苦手意識があるので、どうもよく分からんというところです。 離散固有値の場合は何となくイメージできます。『電子物性論_量子..
Weblog: T_NAKAの阿房ブログ
Tracked: 2007-09-05 00:15

連続固有値というのは問題だよね。。
Excerpt: この話は、清水明「新版 量子論の基礎」(サイエンス社) に書いてあったんですが、もう一度おさらいです。
Weblog: T_NAKAの阿房ブログ
Tracked: 2013-06-28 13:16